Berkeley
日本でためていた仕事が少しずつ片付くにつれて、最近ようやく、大学でのいろいろなイベントなどにも目がいくようになりました。
この大学は、学生数だけで約3万人、大学職員だけで約2千人もいるわけで、まずは規模が尋常でなく大きいのですが、いちばん驚くのは、毎日毎日ものすごい数のイベントが開催されているということです。
法人としての大学のみならず、無数にある学内の研究所、インターナショナルハウスや美術館、博物館、そしてフィルムアーカイブスのような大学の各 施設、YWCAのような地元のNGOや各市民団体、教会、アダルトスクールのような地域の集まりなどなどが、本当に休みなく、毎日のように「何か」をやっ ているという感じです。たとえめぼしいものだけを選んでも、それをすべて手帳に書き込んだとすれば、毎日何かに参加するために、必ず他の何かには欠席せざ るをえないという感じになります。(うちの研究所にも今週末には村上春樹さんがやってくるのですが、チケットは完売です。)
これだけあると、やるほうも疲れてしまうのではないか、あるいは、こんなにたくさんやると、参加者も分散してしまうのではないか、などと思うので すが、そんなことはおかまいなしです。たとえ参加者が少数だろうとなんだろうと、それはそれで、終われば次の企画に向けてどんどん突き進むだけ、という感 じです。
広報は洗練されていて、関係者のメールには必ず関係あるイベントのお知らせがドシドシ届きます。また、ホームページや学内誌やチラシをはじめとす る多種多様なメディアが毛細血管のように発達しているので、アンテナを張っていれば、自ずとイベントの情報が入ってくる仕掛けになっています。地域社会に 開かれているのも特徴的です。
とにかく、毎日「何か」がどこかで起こっている。うかうか寝てられない…。そんな気にさせるパワーこそ、大学(university)がもつべき 迫力なのではないか、単なる「行事」ではなく、文字通り「出来事(event)」が発生する予感に満ちていること、それが大学のあるべき姿なのではない か、ここにいると、そう思わされます。