Berkeley

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黄昏の帝国で 2 ビザ面接

2008年05月25日23:51

先日、東京のアメリカ大使館にビザ取得のための面接に行ってきました。

まず入るために、厳重な荷物チェック。待ち時間をあわせて、入るだけで所要時間約20分。かばんの中に忘れた電子辞書も入り口で指摘され、持ち込み不可でした。

でも、職員の方々は、警備や係員のみなさん、努めてフレンドリーで、それが過剰に厳重な警戒態勢のピリピリ感をずいぶん和らげていました。

ところが、面接会場に行ってびっくり。約束の時間にアポをとったはずなのですが、そこは約80人近くの人ごみでした。まるで、とても混んでいる病院の待合室のような雰囲気。アポの時間の設定は、実は、無数に押しかける人々の大まかな整理のためでした。もっと早く行けばよかった…。

次に驚いたのが、思ったより多くの「外国人」がビザを求めて詰めかけていたことです。韓国人、中国人、それから米軍の兵士の奥さんなどなど、本当に多種多様な人々が窓口に来ていました。

それから待つこと約30分。やっと「指紋押捺」の順番が回ってきます。左右5本指をすべて取られました。でもそれだけ待たされると、人間は不思議なもので、「やっと指紋をとってくれて、ありがとう…」という気持ちになっています。アメリカに入国を許可されたいと願う人たちが、自分以外にたくさん待たされているという特殊な空間で、順番が来て指紋を取られることもすぐに「喜び」に変わります。人間って…。

それからさらに待つこと20分。やっと「面接」の順番がやってきます。こんなに待ったのに、所要時間、約1分。

「バークレーですか。いいですねえ。さっきの女性は学生として行くそうですよ。」「あっそうですか。」「ご専門はなんですか。」「政治学です。」「すごいですね。」「ああそう思いますか…。」「…(気まずい間)はい。…後は家で待っていてください。」「どうもありがとう。」

それで終りでした。自分の専門や研究テーマのことなど、英語でどう説明しようか、アレコレ考えていたのに。

面接は1分。でも所要時間は、全部で約2時間近くになりました。

アメリカに行きたい人は、世界中で本当にたくさんいるのかも。面接の係員は、常時3人~4人が次々に窓口面接し、あっという間に書類を片付け、それでも処理しきれないほど山のような申請があるようでした。人が国境を越えてますます自由に行き来するようになった21世紀に、出入国管理という仕事は、まるで荒れ狂う川の流れを、粗末な手作りの石積み堤防で何とかコントロールしようとするかのような、何というか、とても心細い仕事だとも感じました。

小さい子どもを胸に抱えた、東南アジア系のとおぼしき女性が、窓口で「難民云々…」とうったえていた姿が目に焼きついています。あれは何だったのだろう。