Berkeley
今日は歴史的な日でした。全米で投票が行われ、新しい大統領が事実上決まったからです。写真左は、ぼくが住む地域の投票所の様子です。大学街なので、若い人が多いですね。
ぼくは生来ひねくれ者なので、このお祭り騒ぎの喧噪を避けて、夜の7時過ぎからは前から観たかったレバノン内戦のドキュメンタリー映画を観に行き ました。お客さんはまばら。当たり前ですね。皆テレビにかじりついているはずです。そして作品の合間(8時過ぎ)、係りの人がマイクでおごそかに、「今、 バラク・オバマが新しい大統領に決まりました」とアナウンスしてくださいました。お客さんの中に、思わず叫びだす人もいました。
映画が終わり、映画館を出て、大学正門の近くを通ると、多くの若者たちがすでに喜びのあまり集ってきていました。そしてその集まりはどんどん広がって…。
今、夜の12時過ぎですが、さっきまで、大学とその前のテレグラフ通りでは大騒ぎでした。警察も出ていましたが、喜びに満ちた平和的なものです(写真右)。
土地柄でしょうか。道行く車は、喜びのクラクションを鳴らし続け、沿道の人々はそれに応えて手を振る。道行く人は、すれちがいざま、みんなハイタッチです。
ぼくは、アメリカ人でも民主党員でもないのに、道行く人と次々とハイタッチを繰り返すうちに、なぜか「アメリカ人」としての喜びがわいてきまし た。不思議です。「ここにいる皆、われわれは仲間だ。いっしょに新しい歴史をつくろう!!」という高揚した気持ちになりました。見知らぬ人たちとこんな気 持ちになったのは初めてです。
ブッシュ政権がいかにひどかったか、ということと同時に、「アメリカをひとつにする」と言い放ったオバマが最初から勝利していたと言えます。ここ にいると、大統領選挙とは、何よりもアメリカ・ナショナリズムの祭典であることがわかります。写真の右を良く見ると、学生がアメリカの星条旗を掲げている のが見えますね。アメリカ・ナショナリズムはイコール、デモクラシーや自由という「希望」です。これは日本が逆立ちしても追いつけない質のナショナリズム で、ちょっと羨ましい気持ちもします。オバマは、いわば草の根の、若い人たちのボランティアによって勝利しました。それは「キャンペーン」ではなく、 「ムーブメント(運動)」だったのです。
さっそく、大学の教員や事務員で、かねてより熱くオバマ支持を訴えていた人たちに「おめでとう」のメールを送りました。末尾に「これが世界の新しい歴史の始まりになることを願っています」とつけて。