Berkeley
今日は、朝から張りきって、公文書館に行ってきました。
公文書館は前から行きたいと思っていたのですが、なかなか実現せず、ようやく希望がかないました。アメリカは、民主主義の理念に基づいて、公文書 を定期的に公開し、無料で誰でもが閲覧できるようにしています。もちろん、政治的な理由などから未だ公開されない資料もありますが、政府高官や外交官が、 われわれの知らないところで交わした実際のやりとりの生の資料を見ることができます。
写真の左にあるように、今は改装中の国立公文書館1号館(National ArchivesⅠ(NAⅠ))の脇からバスが出ていて、約40分かかって、ぼくが探す資料が主にある2号館(NAⅡ)まで行きます。
始め、乗客がぼくしかいなかったので、バスの運転手さんに、「このバスはNAⅡにいくのですか?」ときくと、「行きますよ。片道200ドル(約2万円)だけどね。」といきなり冗談。もちろん、バスも無料です。
真ん中の写真は、NAⅡの内部の様子です。思ったよりきれいで、資料を探したり読んだりしやすいように工夫されていました。写真を良く見ると、何 人かが資料を閲覧している様子がわかります。中でも、Archivist と呼ばれる専門家が何人も常駐していて、いろいろ相談にのってくれます。もちろん、彼らの給料も国が出しているわけです。
ぼくは初めてだったので、資料の番号や探し方、請求の仕方などまったく見当がつきませんでしたが、Archivistが要領よく教えてくださいま した。なぜか「ブーブー」と、堂々と何度もおならをしながら教えてくださったのが忘れられません。文献を渉猟するコツは商売柄なんだか身についていたの か、あっという間に要領がわかり、どんどん資料請求を果たしました。もう一人のArchivistに「初めてでこんなにうまくやる人はいないですよ」と褒 めていただきました。
日米関係の歴史研究者の友人から、「公文書館はまず4日ぐらい通って、やっと内部の仕組みがわかるぐらい。意味のある資料を見つけるには、最低で も2週間ぐらい逗留する必要がある」ときいていたので、上々の滑り出しといえるかもしれません。「Top Secret(超極秘)」や、「Classified(機密扱い)」などとプリントされた資料を触っているだけで、歴史に立ち会っているようで、興奮しま した。中には、日本ではあまり分かっていなかった日本要人の動きがしっかり記録されているものもあり、興味はつきませんでした。
とにかく、時間いっぱい、関係ありそうな資料をコピーしたり写真に写したりし続けましたが、量が膨大で、ぜんぜん時間が足りませんでした。それで、もちろん明日も行きます。
最後の写真は、ホテルへの帰り道に撮った夜のホワイトハウスです。思ったより近寄りがたい距離があって、あまりはっきり映っていませんが。ワシントンDCは、狭い範囲の地域に行政や国際機関の主要なものがギュッと凝集された街です。
昨日は「暗い」という印象でしたが、今日は天気が良かったせいか、むしろ落ち着いた大人の街という感じをうけました。パリ(フランス)やストック ホルム(スウェーデン)などのヨーロッパの夜の街にも似ている気がしました。しっとりしていて、ゆるぎのない風格が漂う感じで、これを見たかつての途上国 のエリートたち(日本も含む)は、生き残るためには、この国には一度抱かれなければならないのかな、という気にさせられたかもしれません。
ただ、歩行者に対して車が止まらないというのは、バークリーとの最大の違いのひとつです。