Berkeley
ここは土地柄もあってか、オバマさんに対する期待が高い。
ただそれは、どうやら今の共和党ブッシュ政権に対するうんざり感の反動のようでもあります。とにかく今のままではどうしようもない、という閉塞感がオバマ人気の底流にある気がします。
それで、しばしば過度の期待感がオバマさんに寄せられているような気もします。彼が大統領になれば…。という感情が人々の中に確かにあります。それで、草の根のパワーが、彼を大統領にするわけです。
でも、冷静になって考えれば、彼が大統領になっても、できることは限られているでしょう。過度の期待感は、彼にとって逆に作用するかもしれませ ん。彼はスーパーマンでもなんでもありませんし、すでにアメリカ政治といえども、ホワイトハウスだけでは自由に動かせません。まず上下院の議員が変わらな い限り、実際の政治も変わらないでしょう。
しかも、彼にどんなドラステッィクな政策があるのか、よく見えてきません。私たちは、オバマを買いかぶりすぎてはいないでしょうか。彼に何ができるのか。ひねくれもののぼくは、このオバマブームをやや冷やかに見ています。もちろん、マケインより数倍もマシなのですが。
大衆の過度の期待はきっと、オバマ大統領を苦しめると思います。
まずはこの負の遺産である、アメリカ経済の立て直しが、戦争をせずにうまくできるかどうか、それはずいぶん大変な仕事になると思います。実は、そ れには、彼が不得手と言われる外交能力も必要になってきます。経済はもはや、多国間の調整や協調なくしては、コントロールできないからです。
オバマさんは一歩一歩大統領に近づくにつれて、その荷の重さに少し憂鬱になっているかもしれません。
(写真は、オバマさんのワッペンです。この肖像のポスターが街の至る所に貼られています。彼は真の「United Nation」(ひとつのアメリカ)をつくりだす、庶民のまさに「Hope」なのです。)