Berkeley
昨日の日曜日は、映画のハシゴでした。映画の印象が薄れてしまうので、ぼくは基本的に、映画は一日一本と決めているのですが、明日からワシントンに行くので、日程上しかたがありませんでした。
「男はつらいよ」の後に、封切られたばかりのマーク・ハーマン監督「The Boy in the Striped Pajamas(格子パジャマの男の子)」(2008年)を観ました。日本でも、間もなく封切りになるのではないでしょうか。
ぼくの所属する研究所のすぐ近くの映画館に入ったのですが、日曜だというのに200席はある会場にぼくを含めて観客は6~7人という本当にさびし い状態でした。時期的なものなのか、そもそも映画館と言うのはどこでも斜陽なのか…。薄汚れた時代遅れの館内の装飾を見ながら、少々くたびれた座席に腰を 下ろしていると、スクリーンの前に一人の女性が出てきて、口頭で諸々の注意と今後の上映予定の宣伝を告げ、「enjoy your movie !」とあいさつしてから映画が始まりました。
「格子パジャマ」は、ナチの強制収容所でユダヤ人たちに着せられたパジャマです。なんと、強制収容所の所長の息子と、有刺鉄線の中に囚われたユダ ヤ人の子どもが交流するという話で、理論上ありえず、現実味がないのですが、子どもの視線を通じて、「大人の常識」がいかに狂っているのかを深く告発する 作品でした。
『禁じられた遊び』や、イスラエルとパレスチナの断絶させられた少年たちを描いたドキュメンタリー映画『プロミス』もそうでしたが(http://www.uplink.co.jp/film/promises/top.html)、戦争と子どもを描いた作品は、ぼくはいちばん弱いのです。
子どもたちには友だちと遊ぶ権利がある。
いつ、いかなる理由があっても、大人はそれを奪うことができない。
強くそう思います。
すべての子どもたちが、どこでもいつでも自由に遊べる世界をつくることは、世界を平和にすることと同意味である。
日本の子どもたちは友だちとのびのび遊べているでしょうか。
もしそうでないとすれば、それは何らかの「戦争」があるからです。