Berkeley
実は毎週、陶芸教室に通っています。
写真はこれまでつくった、ガラクタ三点です。
いくらガラクタでも、自分でつくったので愛着があります。
どれも「実用」を目指し、花瓶・ミルクさし・味噌汁用茶碗など、家になかったものをつくりました。
ところで、その陶芸教室は、退職後の高齢者がほとんどです。
アメリカにおいても、ぼくみたいな年齢で、昼間から土をこねくり回している暇な人などなかなかいません。
しかし実は、ぼくが陶芸教室に通う大きな理由のひとつは、こういったアメリカの高齢者の皆さんと交流することにもあります。普通のアメリカのお年寄りの生活の実感、喜びや悲しみを、いっしょに土をこねながら垣間見ることができます。
これはまったくの即断ですが、概して「アメリカの老後」は寂しそう…。
けれども、アメリカの老人も、それぞれが、それぞれのやり方で逞しく生き抜いています。80歳をゆうに超えているとおぼしき女性が、毎回ドレスの ようなきれいな服に身を包み、ばっちり口紅を差して登場する姿は、彼女の往年の生活を思い起こさせます。また、そこは教会なので、パンが無料で配られるの ですが、それをビニール袋につめて、めいめいがもってかえります。きっと皆さん普段はつましい生活なのでしょう。
最近ぼくは、文明や人生がどう枯れていったらいいのか、ということについてとても興味があります。「どのように素敵に、見事に老いるか」という問 題は、今まで上だけ向いて突き進んできた日本社会にとっても、必ず重みを増してゆく問題だと思っています。文明を拡大、成長させるだけでなく、いかに「成 熟」させてゆけるのかを考えることも、ぼくの「平和学」の重要な課題だと思っています。