Berkeley
久しぶりに、映画の醍醐味、珠玉の作品と出合いました。
物理学者の友だちから以前もらってパソコンに入れていたのですが、ようやく昨日時間ができて観ることができました。
スティーヴン・ダルドリー監督「The Reader(邦題:愛を読む人)」(2008年:米=ドイツ)です。
原作はベルンハルト・シュリンクの『朗読者』。読みたいと思っていて読めなかった本のひとつです。
ハンナを演じたケイト・ウィンスレットは、溜息が出るほどすばらしい演技でした。アカデミー賞最優秀主演女優賞は当然で、その2個分ぐらいだと思 います。マイケル少年を演じたデヴィッド・クロス、その成人役を演じたレイフ・ファインズも、繊細で切なく、もうお見事というしかない演技でした。
「愛」の話。
現代で愛のストーリーをつくることがいかに難しいか、作家やアーティストなら誰でも知りぬいていることです。しかしこの作品はその困難な(不可能な)課題に極限まで接近していると思います。
こんなに美しくて、繊細で、胸が締め付けられる「愛」の作品に出会えて、幸福です。たまにこういう作品があるから、映画がやめられません。