Berkeley
留学生活最後の遠出になりますが、ミュア・ウッズ国定公園(Muir Woods National Monument)に行ってきました(写真左)。
こちらでレッド・ウッド(Redwood)と呼ばれる杉(?)の木が密集する、西部開拓前のアメリカの姿を残した公園です。レッド・ウッドは湿気 にもシロアリにも強く、そのため大量伐採され、今ではこのような公立の公園などにしか残っていないようです。公園内では、高さが約40メートルから大きな もので70メートルを超える無数のレッド・ウッドの中を散策しました。数百年~千年の時を経た木の肌目は厳つくねじれているものもあり、見上げると写真の 右のように見えます。
写真ではお伝えできないのが残念ですが、森の中では、何よりもその「空気」の質に驚かされます。
今までこんなに濃密な森の「空気」を呼吸したことはありませんでした。深呼吸すると、何だか体中の細胞が喜んで、寿命が延びるようにも感じたほど です。映画「スター・ウォーズ(ジェダイの帰還)」の舞台にもなったようですが、私たちがなじんでいる世界のずっと以前には、他の惑星のような地球の姿が あったのだということを思い知ります。
ガイドをしてくださった方からは、この一帯に住んでいた先住民の悲しい歴史についてもきくことができました。ゴールド・ラッシュ、すなわちカリ フォルニアの「近代」の歴史は、先住民虐殺の歴史でもあります。そういえば、北米最後の野生のインディアン、「イシ」の物語(by アルフレッド・L.クローバー)も、ここカリフォルニアが舞台でした。彼の脳がカリフォルニア大学に保存されているということも初めてききました。
レッド・ウッドと先住民。人類が一体何を喪失してきたのか、その歴史を再び考えさせられました。
帰りは、サウサリートから船で、サンフランシスコまで帰ってきましたが、船から次第に近づくサンフランシスコの街を眺めていて、それが非常に「陳腐」に見えたのが不思議な感覚でした。