Berkeley
今日、小学校2年生の娘とスカイプで話している時に、彼女が最近たくさん「頭に溜まっている」という問いを吐き出すというので、身構えていたところ、次のようなものでした。
お父さん、政治家が悪い人が多いというけど、じゃあなんでそんな人をみんなが選んでしまうの? 多数決が悪いんじゃないの? お母さんが選挙の 時、10人に4人ぐらいしか行かないっていってたけど、その4人がよくなかったら、よくない人が選ばれるんじゃないの? 選挙に行かない人も悪いけど、多 数決は、だれがいいって決めたの? みんなが悪かったら悪いことが決まっちゃうから多数決はよくないんじゃないの? なんで大人は悪いってわかってても、 悪い事をするの? 環境破壊があるっていうけど、なんでみんな車を使うのがやめられないの? ピアノも勉強も「訓練」ってあるけど、大人はみんな悪い政治 家を選ばない訓練が必要なんじゃないの? お父さんはそういう研究をしているっていうけど、今まで勉強してきたことを全部教えて。お父さんは「平和研究 者」っていうけど、自分が本当に向いていると思う? いつからそうなろうと思ったの? お父さんは大学の学生の時決めたって言うけど、だいたい大学って何 をするか決めてから入るんじゃないの? 自分が成りたいってずっと思っていたらきっと成れるって本当? ……
たったひとつの質問でも、きわめて重要な内容を含んでいて、タジタジです。特に、「向いている?」って子どもに訊かれた暁には、ただ笑うしかありませんでした。
子どもは誰でもある時期、瞬間的にそういう<思考>が花開く瞬間があるのです。娘は、「こういうことを考えると頭がごちゃごちゃになってしまって、クラスの授業が手につかないのが悩み」なのだそうで、ぼくとしては全力をつくしてやっと以下のことばを紡ぎだしたわけです。
「ごちゃごちゃ考えていることは、きっと素敵なことがいっぱい詰まっているから、とってもいい事なんだよ。急がないで、ゆっくり考えると、いろい ろないい考えが生まれるよ。早く考えることが頭のいいことじゃないんだ。でも、ごちゃごちゃは、ごちゃごちゃのままだと、人にも伝えられないし、すぐに忘 れちゃうから、せっかくの思いつきは、絵にするとか、音楽にするとか、字で書いておくとかするといいと思うよ。」
彼女はさっそく、お気に入りのイルカの絵の入ったノートを、自分の「思いつき」を書くとめておくためにおろしたようでした。
「中学校になったらお父さんの助手になる」というので、
「お前、「助手」って、どこで習ったんだ!」ときくと、
「ドリトル先生。」
こんな奇跡的にかわいい時期は、すぐに過ぎ去ってしまうのでしょう。
しかし!まぎれもなく、今日はその至福の日なのでした。
親バカでごめんなさい。