Berkeley
今日は日曜日。いつものようにいい天気であるだけでなく、爽やかなやさしい風が吹く、散歩に絶好の日です。
こんな日は家に閉じこもっていてはいけません。
近くの少し大きめのマーケットまで買い物に行きました。
歩いて20分。でもそこには貴重な納豆も売っています。
バークレーの道を歩くと、日本にいる時には感じられなかった「自由」を感じます。それは道行く人がみんな「自由」だからです。歌を歌う人、家がな さそうだけど明るい人、何かを食べながら歩いている人、独り言をつぶやいている人、お互いが勝手なことをして、また勝手なことをしている他者を気にしませ ん。
ぼくも誰も気にせず、マイケルジャクソンの「Heal the World」を歌いながら(こんな恥ずかしいことは日本では決してできません)歩いていると、ふと、ぼくより少し年上のリュックを背負った男性が、スケー トボードにのって大通りを横断しているのを見かけました。しかし、どうやら初心者らしく、乗っては降り、乗っては降り、とても危なっかしい様子です。バー クレーの車は、概して歩行者に親切なので、多くの車がそれを見守りながらしばらくじっと待っていました。
男の人はようやく大通りを渡り終え、歩道で額の汗をぬぐって、「ふうう」と息をつきました。そして、再び「クール」に、片足をボードの上において、満足気な笑みを満面に浮かべていました。「どうだ!」というところでしょうか。
ぼくはなぜ中年の彼ができもしないスケートボードに乗っているのか不思議でなりませんでしたが、何だか突如、「I Love Berkeley !」と叫びだしたい気分になりました。
それぞれが陽だまりの中で勝手に生きる権利。この爽快感を一度味わってしまうと、もう抜け出せなくなります。
その男の人は、また再び、真剣な顔つきで真下を見ながら、乗っては降り、乗っては降りしつつ、歩くよりも遅い速度で脇道を消えて行きました。…素晴らしきかな、バークリー。