新潟市は2013年に示された「田園環境都市構想」において、「潟は新潟のアイデンティティであり、都市の個性を象徴する存在」と位置づけました。この構想に基づいて新潟市は「潟環境研究所の設置を含め、これまでに潟を始めとした湿地の保全・再生と利活用、さらにはその価値を正しく認識してもらうための環境教育を実施してきました。こうした取組みが評価されて、2022年10月にスイスのジュネーブで開催されたラムサール条約第14回締約国会議において、新潟市は日本初の「湿地都市」として国際的に認証されました。
また、新潟市の海岸沿いには長大な新潟砂丘が発達します。多くは市街地化していますが、西区~西蒲区にかけては日本有数の砂丘農地が、水田に象徴される低湿地とは全く異なる景観として広がります。この景観の素晴らしさは新潟市民にもほとんど知られていません。
湿地(潟)と砂丘という相反する地形とそれがつくる景観は、日本中を探しても新潟だけにしかないものです。新潟市がめざす「田園環境都市」づくりおいて「潟」と「砂丘」は最も重要なキーワードだといえます。これを新潟市の活性化とまちづくりにどう活かすかを考え、提言していきたい。