<政治>の目的はこの社会をよりよくすることです。ちょっと恥ずかしい気もしますし、「現実はどうよ」という声も聞こえてくるようですが、とにかくこの政治の目的についてはまちがってないはずです。ですから<政治学>の目的も、この社会をよりよくすることと関連しているはずです。たとえば社会をよりよくするための決定の方法にはどのようなものがあるのか、またそれぞれの利点と欠点な何か、ということについて政治学はかなり長いあいだ議論してきました。でも人間はまちがった決定をくりかえし、この世の中には悲劇や惨劇がいまだ満ちあふれています。そんななかでも絶望せず、世の中の改善について意地のように考えることを、本来は地域社会との連携と呼ぶのだと思います。
このところ気になるのは、そうした意地のような政治について若い人たちはどのように思っているのだろうか、ということです。そこでこのような本を監修しました。高い本ですが、読書会などしていただければはせ参じますので、お声がけください。
越智敏夫監修 『10代のうちに知っておきたい政治のこと』
あかね書房、2022年、3,800円(税別)