極東国立総合大学

留学先 大学における授業科目

授業科目と内容

言語科目
  • 基礎文法
  • 中級ロシア語の文法を集中的に学習し、確実に身につけます。
  • 会話ロシア語
  • 180時間以上ロシア語を勉強した学生を対象に、会話能力を向上させます。
  • ロシア語閲読
  • 会話能力を向上させると同時に、文学作品や歴史文化関係の読み物などを教材として、新聞・雑誌や図書などの読解能力を身につけます。
  • ロシア語聴力
  • ビデオ教材などを使用して、現地の人々とのコミュニケーションを可能とする聴力を身につけます。
  • ロシアの言語生活
  • ノンワーベル(非言語的)表現法までを含めて、生活と社会文化の内容にまで広がる会話力を身につけます。
  • 音楽ロシア語
  • ロシア民族楽器の弾き方を覚えながらロシア音楽文化を通じてロシア語能力高めます。
社会・文化科目
  • ロシアの沿海地方
  • 東シベリアの一部である沿海地方(沿海州)の開発史とその現状を中心に紹介します。この科目は、沿海地方の現代経済・社会・文化についての知識を深めることを目指します。
  • ロシア芸術
  • ロシアの代表的な民芸品の作り方とそれらの背景にある民族文化を学びます。また、教員とともに簡単な民芸品を作ったり、絵を描いたりする中で、生きたロシア語の知識を深めることを目指します。
  • ロシア社会史
  • ロシア帝国の歴史を概説します。ロシア史に名を残した皇帝や女帝を紹介しながら、分かりやすい言葉でそれらの統治時代の特徴を説明します。
  • ロシア民俗学
  • 古代ロシアの民話や童話などの講読を通じ、ロシア文化を代表する登場人物の形象とそれらの個性や性格を学び、民族の根本的特徴を理解します。

留学費用

ロシア

1人部屋 517,000円/2人部屋 415,000円

経費に含まれるもの

現地大学での授業料、寮費、往復航空運賃、空港使用税、空港税、サーチャージ料、諸雑費など留学に必要な経費はほとんど含まれています。

経費に含まれないもの

パスポート取得料、海外傷害旅行保険、食費など。細かい点についてはコースごとに違いがあります。

派遣留学 奨学金

派遣留学に参加する学生全員に奨学金が支給されます。

ロシアコース:15万円 (2008年度)

留学までのスケジュールと準備

時期 行事 備考
入学時 派遣留学制度説明会 制度の概要や留学参加学生の体験紹介をします。
1年
前期
地域研究・言語の選考期間 「地域研究概論」の授業で、各地域のガイダンス授業をしますので、それを参考にして良く考えてください。
前期終了時 地域研究・言語の決定 留学先は選択した言語の地域に限定されます。
後期 地域言語学習の開始 いよいよ地域研究と地域言語の学習のスタートです。
12月初旬 派遣留学制度説明会 1年次生全学生を対象とした具体的な説明をします。
2年
4月下旬
派遣留学参加希望
仮申込み締切り
そろそろ決断して下さい。
5月初旬 派遣留学参加学生
最終決定
面接等によって、参加学生を決定します。成績と学習意欲が重視されます。
6月上旬 誓約書及び
奨学金交付願提出
正式な参加申込み手続きをします。
6月中旬 奨学金授与 参加学生に奨学金が授与されます。
7月上旬 参加費用の納入 参加を取消した場合は取消料を頂きます。
前期 参加予定者事前研修 毎週1回のペースで説明会と研修会を実施します。
後期 派遣留学の実施 9月上旬から翌年の1月初旬までの予定です。

留学Q & A

ロシア生活について

  • ロシア留学4ヶ月生活するのにいくらかかりますか?
  • 人によって違いますが、自炊なので、15〜20万ぐらいあれば、大丈夫です。少しぜいたくをしたい人は、20〜25万円ぐらい持っていけば余裕です。
  • ロシアは寒いですか?
  • 季節によります。夏は本当に暑いので、「寒い国」と思って出かけると損します。夏と9月いっぱいは半そで一枚で十分です。11月ぐらいから寒くなりますが、防寒着を正しく着れば寒くないです。
  • 治安は良いのですか?
  • 全体的に良好です。昼間は一人でも安全ですが、夜の一人歩きは避けたほうがよいです。
  • スーツケースの大きさは?
  • 一番大きいものを一つ持つといいです。寮に着いたら、部屋に置きっぱなしになります。持ち運びを考える必要はありません。行きより帰りのほうが土産などで品物が多いことを忘れないでください。
  • 荷物を送る場合、どうやって送るのですか?
  • EMSが確実に安全に届きますが、普通の郵便でも送れます。
  • 旅行に行きたいのですが…
  • できます。
    テストが終わった後には時間的に余裕ができますので旅行に出かけるのも良いでしょう。但しその場合、世話をしてくれる人に相談し、事前に学校に申し出てください。ぜひシベリア横断鉄道を体験してみてください。
  • 盗難や事故にあった場合はどうすれば良いのですか?
  • 第一に、盗難に遭いにくい格好をするのが大切です。それでも盗難に遭ったなら、一人で解決せずに世話係りの人、学校、日本領事館に連絡して相談してください。
  • 日本人の友達に電話をしたい時はどうすれば良いのですか?
  • 寮の自室に備えられた電話から電話することができます。1時間分1000円のテレホンカードを利用するのが良いでしょう。
  • カメラは持っていくべきですか?
  • テジカメを1台持参すると良いでしょう。普通のカメラでも現像できるお店はあるので不便ではありませんが。現地の風景や楽しい思い出を残すためにぜひ持っていってください。
  • ノートパソコンは?
  • 自分のものを持参すれば、インターネットやメールが自室でできます。
  • 日本の電気製品はロシアで使えますか?
  • 変圧器とプラッグ・アダプター(変換機)が必要です。日本の電気店で購入できますが、かなり高いので、その製品が耐えられる電圧かどうかをちゃんとチェックしてください。
  • 日用品はどこで買えますか?
  • 歩いて5分ぐらいのところにスーパーがあります。10分ぐらい行けば市場と大型スーパーもあります。市場の方が安く、いろいろなものが見られるのでおすすめです。キオスクが2分ぐらいで最も近いですが品揃えは劣ります。
  • 勉強について、だれかに相談に乗ってもらえますか?
  • 世話係りの日本人が全員の面倒を見てくれるので心配は要りません。同じ寮に住んでいる日本人と協力し合うことも多いです。
  • 留学先のロシア語学校の事務員たちは親切ですか?
  • 全員ロシア人ですが、留学生のためにわかりやすいロシア語で話してくれますし、とても親切です。分からないことは聞いてみましょう。
  • 小遣いは一ヶ月でどのくらい要りますか?
  • 2〜3万あれば十分ですが、生活用品以外に必要なものを買うにはもう少しあった方が良いかもしれません。
  • ロシアで生活して特に困った点は?
  • 特にありませんが、日本での当たり前は通用しません。強いて言えば、ネットが遅いくらいです。停電と断水がたまに起こりましたが一時的なものなので、大丈夫です。飲み水をキオスクで買うことと、インターネット回線が日本より遅いことが挙げられるでしょう。
  • ロシアで生活して一番よかったことは?
  • テレビで見たことのない街並みの中で生活するのがとても楽しかったです。旅行では味わえない貴重な体験ができました。
  • 日本から持っていくといいものは?
  • デジカメ、ノートパソコン、日本食(特にレトルト食品と菓子類)、栄養食、調味料、いつも使っている薬。そのほか、日本や新潟を紹介できるもの(写真、漫画、DVDなど)を持っていくといいでしょう。
  • ロシアで買ったほうがいいものは?
  • 冬用の防寒具(特にコート、マフラー、ブーツ)です。お土産としてはコーヒー、紅茶、チョコがおすすめです。他に、本やCDなどロシアでしか買えないものがいっぱいあるので、見つけてきてください。

 

 

留学中の勉学について

  • 留学先はどんな学部ですか?
  • 外国人がロシア語やロシアの文化、歴史を学ぶための学部です。ロシア人の学生はいませんが、韓国や中国の留学生がいます。
  • クラス分けはどのようにされますか?
  • 簡単なテストを受け、その結果でクラスが組まれます。だいたい同じレベルの人と組まれるので安心です。
  • 授業は本学以外の学生といっしょに受けるのですか?
  • 留学に行く人数によりますが、希望があれば同じレベルで本学以外の日本の留学生または外国の留学生といっしょに授業を受けることができます。
  • 授業は全部ロシア語ですか?
  • 少し日本語が話せる先生が一人いるので、最初の数日は困ったら、日本語で助けを求めることもできなくはありません。しかし、授業そのものはロシア語で行われています。それを聞くと不安でしょうが、先生方は丁寧に教えてくれるので大丈夫です。
  • ロシア語の授業にはついていけるのでしょうか?
  • 先生方は分かりやすく丁寧に説明してくれるので、心配要りません。万一、ついていけなかったら下のクラスに行くだけです。でも、少人数なこともあって自分たちのレベルに合わせた授業をしてくれるので取り残されることはまず考えられません。
  • ロシア語学校には日本人の先生がいますか?
  • いません。全員ロシア人です。
  • 授業の内容は?
  • ロシア語会話、ロシア語文法、歴史、地理、美術、音楽です。年によって少し変わる可能性もあります。
  • ロシア語授業の雰囲気はどんなものですか?
  • 日本での授業スタイルは説明を聴いて、ノートをとるというのが一般的ですが、ロシアでの授業はリラックスした雰囲気のなか、会話中心に進行します。
  • 先生たちは親切ですか?
  • とても親切です。分からないところは丁寧に説明してくれます。
  • ロシア語学校でパソコンは使えますか?
  • コンピュータ室があり、そこでインターネットも日本語入力もできます。ただし、利用できる時間や台数が限られているので、毎日のようにパソコンを使いたい人はノートパソコンを持っていくのがいいでしょう。
  • 家族や友達とEメールのやりとりができますか?
  • 学校のパソコンからもできますし、自分のパソコンからもできます。
  • 和露辞典・露和辞典が必要ですか?
  • もちろん持って行くことをおすすめします。持っていかなかった場合は不要な苦労を強いられることを覚悟しておいてください。
  • 留学の結果、学力が本当につきましたか?
  • ロシアでの生活は、いつもロシア語に囲まれているということなので、耳に入ってくる言葉もロシア語ばかりです。そういう環境にいると、日本で勉強するよりもはるかに頭に入ってきます。最初は、聞き取ったり話したりすることは難しいかもしれませんが、帰国するころには普通に会話ができるようになります。ロシア語を上達させたければ、ぜひ留学をおすすめします。

 

 

寮生活について

  • 4ヶ月泊まる寮はどんなものですか?
  • 9階建てのとても広い建物です。2・3・6階は外国人留学生用で、それ以外は極東大学の学生すなわちロシア人用です。
  • 部屋のタイプは?
  • 一人部屋と二人部屋があります。どちらを選んでもそれほど不自由はしません。ベッドと浴室、トイレ、冷蔵庫とテレビ、机と椅子、かんたんな調理器具など一通りのものはあります。
  • 学生寮の設備は?
  • 設備は整っています。各階にひとつずつ共同のキッチン、洗面所、ダスト・ショートなどがあります。学生食堂は2階にあります。
  • 盗難や事故などがありましたか?
  • ありませんでしたが、注意しなくてもいいというわけではありません。気をつけていれば、盗難や事故にあうことはありません。夜に一人で出歩いたりするようなことはしないほうがいいです。
  • 部屋の掃除や洗濯物はどうしましたか?
  • 掃除は各階にいる当直係りのおばさん(デジュルナヤ)が定期的にやってくれます。洗濯物は原則として自分でやります。洗濯機は自由に使えます。
  • 室内は暖かいですか?
  • 外が寒くなると暖房(セントラル・ヒーティング)が入るので、半袖でいられるくらい暖かいです。しかし、階によって、また部屋によって温度の差が少しあります。
  • 暖房はいつから入りますか?
  • 年によって違いますが、原則として10月の後半からです。冬の寒さは11月前半に来るのが普通です。
  • 特に寒い日でも外に出る必要はありますか?
  • 寮と学校が室内廊下で繋がっているので、特に寒い日は外に出ずに講義に出られます。食料品や日常使うものなどを買うときは、ほとんど毎日のように外に出ていました。
  • 学生寮には門限がありますか?
  • あります。各階は23時に閉まります。
  • 宿泊代はどう支払いますか?
  • 大学に払うお金の中に含まれているので、現地で支払う必要はありません。
  • 毎日の食事はどうしますか?
  • 朝と夜は自炊ですが、昼はストローワヤという、寮の2階にある小さな学生食堂を利用することができます。そのほかに、パン屋でおいしいパンを買って食べる、レストランで食べる、市場やスーパーで買った材料から自分で料理を作って食べる、など日本とあまり変わりません。コンビニ弁当のようなものはなかったですが。
  • ご飯などを食べたいときはどうしますか?
  • 寮には共同の自炊場があるので、そこで自炊できます。米や日本食なども、店で買うことができます。
  • お風呂は毎日入りますか?
  • 部屋に浴室がついているので毎日入ることができます。しかし、たまに断水があり、お湯が出ない日には入れません。
  • 本学以外の日本人留学生は多いですか?
  • 東京、北海道、富山など、いろいろなところからたくさんの日本人が来ています。その人たちとぜひ仲良くなってください。
  • 他の国の人は?
  • 韓国人が日本人とほぼ同数、中国人は相当な人数がいます。多くはありませんが、ヨーロッパやアメリカなどから来た人もいます。
  • ロシア人も滞在するのですか?
  • ロシア人も同じ寮に住んでいますが、建物の反対側の部分なのでフロアが違います。寮の入り口で会うことは多いですが、あまり意識することはありません。
  • 留学中、新しい友達は簡単に作れますか?
  • 授業でいっしょになる学生や寮にいる外国人に話しかけたり挨拶をしたりすることが多いので、友達が簡単に作れます。積極的に行動すれば、さらに簡単です。
  • 外泊できますか?
  • 事前に学校と寮母さんに出発日や帰る日などを報告すれば外泊できます。
  • 学生寮で気をつけることは?
  • 「他人が不愉快になることをしない」「困ったときはお互い様」ということをいつも心がけていれば大丈夫です。

私の留学体験記

バックナンバー

留学で広がる視界

大野 結花

私のロシア留学の目標は、友達をたくさん作るということだった。その友達というのは、“ロシア人の友達”だった。しかし、ここに来てできた友達はロシア人だけでなく、韓国人の友達だった。一番仲がいいのはウンジュさんとヘギョンさんだ。ある日、友達が韓国人の女の子たちと中国人市場に行くという約束をしていると聞き、私も参加したのがきっかけだった。そこへ行く途中、ウンジュさんが「どこの部屋に住んでいるの?」とたずねてきた。私が答えると彼女たちは笑いながら、「私たちは部屋が隣同士だったのに、気づかなかったのね」と言った。その時視界が開けたような衝撃を受けた。私はそれまで周りをみる余裕がなかったからだ。それから私はウンジュさんとヘギョンさんの部屋へ遊びに行くようになった。彼女たちと話すときはできるだけロシア語で話している。けれど彼女たちと話すことで韓国語にも興味がわき、色々な言葉を教えてもらっている。また彼女たちも日本語に興味を持っている。彼女たちと友達になれたことで、自分には知らなかったことがたくさんあることがわかった。そして、日本にいたときよりも視界が開けたように感じた。

 


 

活気あふれるロシアの市場

笹川大輝

私がロシア・ウラジオストクの地で感じたことは、市場の数が多いということだ。日本の市場は定期的に開かれることが多いが、ロシアの市場はほぼ毎日開かれている。雨の日でも開かれ、スーパーよりも活気に満ちあふれている場所だ。我々日本人は、一度に多くものを買い、それを保存し徐々に消費していくということが多いが、ロシア人はそのようなことはしない。一日分、もしくは数日分の買い物しかしないのだ。そのため、少量のものが買える市場が重宝されている。何よりも市場の良いところは、コミュニケーションが多くとれることだ。市場のおばちゃんは、特に話やすくおもしろい人たちだ。私はまだ上手にロシア語を使えないが、市場のおばちゃんが何を伝えたいのか分かるようになってきた。ロシア人とロシア語で会話することは、本当におもしろい。日本では決して経験できないことだ。極東国立総合大学の周辺にはスーパーがあるのだが、商品をカゴに入れてレジを通るだけなので、何かもの足りなさがある。せっかくロシアの地にいるのだから、ロシア語を活用して買い物をするべきなのだ。このように、ロシアの市場はロシア語でコミュニケーションできる最適な場所なのである。