新たな挑戦で 成長目指す私の抱負 とう中の空虚な何もない無のところだ。その空間があればこそ茶も入り、水も入り、茶碗の用をなす。あるいは家についても同様で、入口の戸を作り出窓を作り、そのほか床板を張り天井を張ったりするが、室として最も必要なところは部屋の中の空間である。この空間の「無」があってこそ初めて部屋の役立ちをする、と説明します。つまりこの「無」がなければ生成物である「有」が目的とするところの働きをなすことができない、というのです。(諸橋轍次「老子の講義」などより)もちろん、本学では皆さんが食べて直ぐに腹を満たし、血となり肉となるような分野の学問や専門知識を修得されることに力を入れます。先ほどのたとえ話でいう粘土を捏ねて作り上げる器であり、暖かな春の訪れとともに、私たちは新潟国際情報大学の入学の日を迎えること家の柱や戸、窓、屋根、床板などの造作にあたる部分です。そしてそれと同時に器や家屋の目的である飲食物を味わう、あるいは内部に入って寛ぐことが可能となる「内部に何もない空虚な無の部分」の涵養にも注力します。いわゆるリベラルアーツ(一般教養)教育です。先ほどのスローフードがもたらす「滋味」、「滋養」にも当たる部分です。そしてこれこそが「大学で学ぶ」ということの意義なのではないでしょうか。大学で学ぶということは陶器を練り上げるように人格を陶冶することなのです。そしてその結果得られるであろう無駄とができました。残念ながら入学式は中止となりましたが、学長から温かいメッセージをいただき、誠にありがとうございます。また、数々の激励のお言葉や、私たちを支えてくださった多くの方々にも、心より御礼申し上げます。現在、私たちの生活は、たくさんの情報でできています。そのため、正しい情報を効率よく扱うことが求められていると考えます。さらに、グローバル化の影響で、海外の情報を取り入れる重要性も高まっています。大学では、そのような時代を先取りした知識を手に入れ、正し思われるものも含む多様な能力のポートフォリオを持った有為な若者を育てて行くところが、この大学という場であると確信をしております。皆さんにもう一つ是非お伝えしておきたいことがあります。今回の新型コロナウイルスの猛威は健康面だけに留まらず日本経済や世界経済に甚大な厄災をもたらしており、この後もいろいろな形での影響が及んでくることが予想されます。例えば皆さんがこれから過ごす4年間の途中で、経済的な困難が生ずることがあるかも知れません。万一そのような事態が起こった場合にとく使う能力を培っていきたいです。また、勉強だけでなくサークルや学校行事を通して、さまざまな人と関わることで刺激を受け、成長していきたいと思っています。これからはじまる新潟国際情報大学での4年間を有意義なものにするために、常に向上心を持って、経験豊富な先生方から多くのことを学んでいきます。そして、新たなことに積極的に挑戦していくことをお誓いし、新入生代表の、抱負とさせていただきます。いうことですが、本年度から国も修学支援制度を充実させることとしておりますし、日本学生支援機構をはじめ県や市の奨学金制度あるいは篤志家による奨学金制度もあります。本学でも独自の奨学金制度を設けて皆さんが大学生活を安心して送ることができるようサポートをしております。在学生の半分以上の方々が何らかの形でこれら奨学金を利用しておりますし、2018、2019年度の最近2年間にはそれぞれ20件を超す家計急変相談および奨学金申請があり、それぞれ適切に対処されております。経済的理由による休退学は起こしてはならない、これが私たちの願いです。休退学は自分自身や周りの方々にとっての損失だけではありません。社会にとっての損失です。私たちの大学は1学年300人強のこじんまりとした大学ですが、その分結束力の強い、面倒見のいい大学です。どんなことがあっても教員、あるいはキャンパスライフ支援委員、学務課、学生支援センター職員に相談してください。外部の専門家の紹介も可能です。親身になって相談に乗り、問題解決のために一緒になって当たります。さあ皆さん、一緒に手を携えて本学の新しい四半世紀に向けて歩みを進めて参りましょう。この難局を乗り越えて参りましょう。ご入学誠におめでとうございます。手を携えて難局乗り切ろう新潟国際情報大学 学報 国際・情報 令和2年5月発行 2020年度 No.1 や 3情報システム学科 1年新入生代表丸山 直人
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