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「秤が無くても使える栄養計算DB」「視覚のシミュレーション」 (情報システム学科・教授 高木義和) (情報システム学科・講師 河原和好)栄養バランスをグラフで表示 朝食のデータに中高年が関心色覚の異常な見え方など体験 福祉関係者から有意義な感想本学の師走は、卒業研究の締め切り月です。学内のPCの前では、真剣な顔つきで論文を執筆している多くの学生たちの姿を見ることができます。卒業研究は、学生が自分でテーマを選び、4年間の集大成として、新しい知識を創造します。本学では、両学部ともに卒業論文が必修です。つまり、全員が卒業論文を執筆します。今の日本で、全学部の全員が卒業論文を執筆する大学がどれほどあるでしょうか。これは本学が誇れる点の一つだと考えています。卒業論文は、1年以上かけて多くの文献を読み、調査・実験し、分析し、そして考え抜き、執筆します。論文で求められる高いオリジナリティーや、根拠に基づいた議論は、彼らが生きる、情報化・国際化がさらに進んだ„これからの世界“では、より重要性が増すでしょう。さらに、3年生までの数週間のレポートと違い、計画性、そしてなにより自己を律する克己心が求められます。卒業後、教員はいません。一人で歩んでいく旅立ちのイニシエーションです。今日、私は東京に出張なのですが、ゼミのLINEを見ると、お互いに草稿をチェックし合っているようです。もう、私の出番はなさそうです。これからは教員―学生の関係ではなく、お互いに地域人・地球市民として、共に新潟に、世界に貢献していこう。今日も、情報文化の発展と世界平和の実現を確信することができた幸せな一日でした。前年に引き続き、本学卒業生の増野里江子さん(2002年度卒・現㈱ソネット)が作成した栄養計算データベース(DB)を紹介するブース「福祉・介護・健康フェア2015」(11月15日・朱鷺メッセ)に、本学から情報システム学科の高木、河原両研究室が前年に引き続き出展しました。当日は145企業・団体が参加し、過去最高の約1万5000人が来場して大いににぎわい、両研究室のユニークな内容のブースにも多くの人が訪れました。河原研究室では、ブース展示およびセミナー講演を行いました。昨年は「みまもりロボット」「CGによる手話学習ソフト」「視覚のシミュレーション」の3つの内容を展示しましたが、今年はその中から「視覚のシミュレーション」に絞って発表しました。「視覚のシミュレーション」は、色覚に障がいがある人の見え方や、視力が悪い人の見え方を画像処理でシミュレートしたものです。もともとは2006年度の卒業研究のアイデアに基づいた研究です。視力が悪い人は、眼鏡やコンタクトレンズなどを用いるを出展しました。ブースを訪れた人に、自分で食べた朝食で実際の使用方法を体験していただき、前年より多くの方々に大きな関心を持っていただきました。年代は健康が気になる50歳からったのですが、1人20分程度かかるにもかかわらず、熱心にパソコン(PC)に向かっておられました。80代を含めPCを自分で操作できる方が多かったのには驚きました。前年は発表会場でDBの内ことで普通の視力で見ることができ、色覚に障がいのある人も、特定の機材を用いることによって完全ではありませんが普通の視力を体験することができます。しかし、視力が良い人や色覚に障がいがない人は、そうでない場合を体験することは難しいです。今回の展示では、その体験ができるようなPCによるシミュレーションソフトを開発しました。PCに接続したで、今回は操作方法と、計算結果の利用に関する説明に焦点を当てた説明としました。計算結果に栄養バランスをグラフで表示できる機能を追加したこともあって、分かりやすかったとの意見をいただくことができました。このDBはgoog計算」の1キーワードで検索すると、この1年の間、大企業のページを抑えて1位に表示されます。アクセス解析を行うと、東京・大阪などの大都市ばかりで、新潟からの利の見え方にすることができます。また、ヘッドマウントディスプレイにカメラを装着することにより、見ている方向の画像がそのような処理をした画像とするようなシステムも作成しました。体験してくださった方からは興味深い、今後に役立ちそう、というような感想をいただきました。フェアに参加することによって、研究を行っているだけでは得られないような、一般容をできるだけ正確に紹介したところ、難しいとの評価でしたのUSBカメラで映した映像を、視力が悪い人、色覚に障がいがある人leで「栄養用は限られています。今回、新潟市でもニーズがあることを確認できたので、説明や利用方法をよりやさしくして、新潟地域からの利用を促進する努力を今後も続けたいと思います。の方や実際に福祉・介護に携わっている方々の感想やアドバイスが得られ、今後の研究を続けていくうえで有意義な時間となりました。湧源編集後記に代えてゆう げん入試・広報委員長 小宮山 智志                6新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成28年1月発行 2015年度 No.480歳代の方や親子の方が多か福祉・介護・健康フェア20152研究室の展示に人気過去最高の1万5,000人が来場

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