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情報システム学科・教授 白井健二情報文化学科・教授 臼井陽一郎Myron Scholes) Fischer 私の研究テーマは、広い意味で金融工学です。金融工学とは、世の中にあるさまざまな金融商品について、その適正な価格はいくらなのかということを、数学を駆使して求めます。特に、金融派生商品(デリバティブ)を扱う人にとっては必須となる学問領域です。この分野のバックボーンを形成するのが、伊藤清先生が体系化された確率微分方程式です。従来、方程式で表現することができるのは直線もしくは一定の規則性を持つ曲線のみで、まったくランダムな曲線は微分ができないため方程式で表すことができませんでした。伊藤の定理は微積分に確率論を導入するこ環境政策の形成にあたっては、しばしば民主主義(デモクラシー)が強調されます。一見もっともらしいのですが、実はここに、熟考を要する問いがあります。政治と経済の自由な活動を憲法で保障した国々、そうした先進民主主義の国々こそ、真っ先に生態系を破壊してきたのではなかったか。いかなる民主的な話し合いによっても変更の許されない、憲法上の絶対的な規範として、政治・経済の自由が守られた国々では、実は環境問題の根本的な解決は不可能なのではないか。必ずや、産業の利益が優先されてしまうのではないか。これが、環境問題におけるリベラル・デモクラシー批判です。こうした問いかけから、エコとで、規則性のない曲線を方程式で表現することを初めて可能にしました。この伊藤の定理をベースに、確率微分方程式で株式など金融商品の価格変動を軌跡などで表現することができるようになりました。有名なブラック・ショールズ方程式とは金融派生商品の価格付けに現れる確率微分方程式(およびその境界値問題)のことです。ブラック・ショールズロジカル・デモクラシーと呼ばれる考え方が打ち出されてきました。それによると、もっとも考慮すべきは、生態系の破壊によって命を奪われてしまうにもかかわらず、政治の場に声を届けることのできない者たちの存在です。それは、他国の人々、将来世代の人々、そしてニンゲン以外の生命体です。リベラル・デモクラシーは、実はそういった存在者の利益を排除してきたのだと、批判されるわけです。そこで、そうした参加しえずBlack) とマイロン・ショールズモデルは1973年にフィッシャー・ブラックした理論であり、このモデルを使って当時の懸案であったヨーロピアン・コール(およびプット)オプション(満期日にのみ権利を行使できるオプション)のオプション・プレミアムを計算してみせました。これらの理論は金融工学の先駆けとなりま代表されえない者たちをも包摂した環境権を、いかなる民主的な話し合いによっても変更の許されない、憲法上の絶対的な規範として打ち立てることが求められます。また同時に、あたかも外国人・将来世代・自然存在の三者であるかのように、その代弁者として、環境正義を訴える政治の担い手が重要になります。エコロジカル・デモクラシーとは、こうして環境権を憲法規範として打ち立て、代弁者が立法や司法の場に進出していけるが共同で発表した。以来、金融工学は,金融派生商品の価格付け理論のみならず企業が新たなプロジェクトをスタートさせる際、ある種企業の命運をかけることがあります。プロジェクトの成功をできるだけ確かなものとするために、経営トップへの計数評価が一つのプロジェクトをスタートさせる判断材料となります。ただし、プロジェクトのスタート時期は、必要な情報や社会情勢がすべて事前に得られるわけではありません。そういう状況下において、確率微分方程式モデルを駆使してプロジェクト評価を行う研究を進めています。よう、参加の制度をさまざまに整備しようとするものです。このような民主主義(デモクラシー)の発想は、日本の憲法改正論議にも影響を与えています。憲法改正によって環境権をあらたに定め、日本の政治をエコロジーの方向に近づけていくべきなのか。それとも、現行憲法のまま13条の生命・自由・幸福の追求や、25条の健康で文化的な生活について、日本国民を超えて保障するよう政府を義務づけることが可能であるのか。こういったデモクラシー・エコロジー・憲法の関係について、たとえばEU(欧州連合)の場合などと比較しつつ、いつかは自分なりに考えをまとめてみたいと思っています。金融工学デリバティブ必須の学問環境問題とデモクラシー私の研究テーマ新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成21年9月発行 2009年度 No.3による授業などが行われました。情報システム学科ではソフトウエア開発やコンピュータ実習のほか「人間ってスゴイ!―人間の情報処理能力」などが開講されました。 保護者対象のプログラムでは、進路選定、入試、学費、奨学金、就職など現在の大学の状況について説明され、多くの保護者が耳を傾けていました。 また昼休みには、学食試食体験と部活・サークルが行われました。学生食堂「弥彦」では海外提携大学のある4カ国の特別メニュー、ロシア「ボルシチ」、中国「四川風坦々麺」、韓国「ピリ辛風焼肉定職」、アメリカ「チキンのBBQソース焼き」が用意され、第1回の人気ナンバー1はアメリカ、第2回は中国でした。 また、参加者が気軽に立ち寄れる個別相談コーナーも設けられ、入試から就職までのモデル、入試傾向や奨学金など多くの質問がありました。海外留学の相談も行われ、昨年度留学をした在学生が派遣留学、海外夏期セミナー制度の特色や、楽しい留学生活の体験談を披露し関心を集めていました   4      (( 次回は10月4日入試説明や模擬講義を体験入試説明や模擬講義を体験入試説明や模擬講義を体験   多彩なプログラムを用意   多彩なプログラムを用意   多彩なプログラムを用意 今年度のオープンキャンパスが7月19日、8月9日に本校・みずき野キャンパスで開催されました。両日とも約300人の高校生と保護者から参加いただき大学説明、模擬講義体験、入試説明など多くのプログラムを体験していただきました。 まず本学の学部・学科のカリキュラムの特徴などが、平山征夫学長はじめ教員や実際に学んでいる学生から説明が行われました。それ以降はすべてのプログラムが自由選択でキャンパスライフを思い思いに楽しんでいただきました。 模擬講義体験は、情報文化学科では語学(英、露、中、韓の4カ国語)のほか、本学学生の国際交流インストラクターによるワークショップ形式オープンキャンパス開催オープンキャンパス開催

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