小宮山ゼミコメント

氏名 題名 コメント お薦め度
渡辺美和子 カジュアル式はホテル・専門式場に並ぶ披露宴会場となるか 自分の興味・就職希望・卒業論文のテーマが一致した好例。無作抽出されていないデータを分析するときは、この論文を参考にするとよいでしょう。 ★★
吉田晋 集団自由保育か?集団一斉保育か?-幼児の自己制御認知タイプと向社会的行動との関連からの検証- 彼はゼミ選択で私のところに相談に来たとき、すでに問いと仮説が決まっていた。保育士の友人との論争からテーマを見つけたそうです。テーマが秀逸だったため、大変スムーズに研究を進めることができました。論理の整合性、独創性ともに高いです。既存の研究と彼の知見との関係も明確です。 ★★★
星野修一 スポーツ振興くじはギャンブル依存を引き起こすか 静岡や東京までいって調査を行い、さらに時間をかけて丁寧に分析している。分析しては考え、また分析している様を参考にしてほしい。早めに行動したため論文のレベルを上げることができました。論旨の論理的整合性が高く、独創性もあり、素晴らしい卒業論文です。 ★★★
高橋尚子 男女における完全主義傾向がストレッサー・抑うつ反応に及ぼす影響の相違点について 独創性・論理一貫性とも大変高いレベル。既存の研究の展望もしっかりしており、すでにゼミプロ級です。 ★★★
高橋準人 携帯電話・PHSの利用形態に関する調査研究  高校生の「メディアに対する認知・評価」 既存の研究を踏まえ、理論に基づき調査しています。ケイタイメールに着目してた点、高校生を対象にした点が、大変高く評価できます。先駆的な研究です。分析から結論を導き出す過程も参考になるでしょう。 ★★★
石川晃典 高年層男性における価値意識の研究 -年収と「高収入を得る」という価値意識との関係- 文献に触れ、データを分析しながら、試行錯誤しテーマ、そして仮説を複雑なものに進化させてきました。参考にしてください。 ★★
小林寛樹 実名報道による受け手の事実誤認-私人の重大事件4事例による犯人視報道の検証 実験方法に彼の独創性が詰まっています。また分析結果から結論を導き出す過程に苦労の跡が見られます。 ★★
今井崇史 犯罪被害者の原則匿名報道の実施とそれを妨げる問題点について ゲーム論を用いて具体的な事例を説明するということが大変難しいことだと考えている数理社会学者は少なくありません。彼はその難しいテーマにチャレンジしました。 ★★
近藤毅 マス・コミ情報量はたばこ消費量に影響を与えるか 多重共線性の問題にぶつかって困った方はぜひ参考にしてください。分析結果を、慎重に吟味し結論を導き出しています。 ★★
坂内智 マス・メディアによる犯罪報道量が犯罪種別認知件数に与える影響と最適効果スパン 近藤さん同様、時系列回帰分析をしています。残差の仮定について考慮し、分析しています。既存の研究の展望が不充分なところが残念です。 ★★
小林龍央 少数派意見者と多数派意見者に見られるインターネット利用度の差 理論に基づいた仮説に関して適切な調査しており、大変素晴らしい研究になるはずでした。しかし時間に負けました。残念です。発表できっと挽回してくれることでしょう。
松田元 母子間の共依存関係に対して他の家族関係が及ぼす影響について 興味深い事例を調査できそうだったのでこのテーマで研究することをすすめたが、卒業論文としては大変難しいテーマです。努力賞ものです。 ★★
       
  総評:私の怠慢にも関わらず(怠慢だから?)、皆さん、自分で考え、行動し素晴らしい研究を完成させてくれました。各自の旺盛な研究意欲・行動力にもかかわらず就職活動が厳しかったことや、指導教員の私が夏季に論文指導ができなかったため、卒論の進行速度に影響が出てしまいした。そのため調査時期が秋になってしまったことで、最終的な完成度に影響がでてしまった研究もありました。厳しい環境にも関わらず、大変高いレベルの卒論ができたことは一重に各自の努力と才能の賜物です。皆さんは“大学生=研究者”です。自信と誇りをもってください。
 来年以降、さらに就職活動が大変になることが予想されます。後輩の皆さんは、先輩以上に早め、早めの行動が必要です。
 
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更新日 02/02/07
名前 小宮山 智志
電子メール アドレス : komiyama@nuis.ac.jp