このページは、本学の図書セクター委員
の依頼で今年の夏に書いたものですが、
自分の執筆箇所を、先行公開致します。
夢枕獏『陰陽師』(文春文庫、1991年)476円+税 今年の春にNHKでドラマ化され、今秋には映画化され、そして随分 前からコミック化されているものの原作です。この話の“呪”の 考え方は、私の専門の社会学と大変関連があります。 「ものの根本的な在様を縛るというのは、名だぞ」(第1巻31ページ2行目) 「人はな、この天地の間に在るものを理解していくのに、呪をもって するということだ」(付喪神の巻204ページ7~8行目) 私の「情報文化」または情報システム演習3の「基本的数学モデル」 とそっくりでしょう? こんな会話が、夜毎、安倍清明と源博雅の間で 酒を組み交わしながら繰り広げられます。こんな風に講義できるといい のだけれど。 |
|
小林淳一・木村邦博『数理の発想でみる社会』(ナカニシヤ出版、1997年)1800円+税 我々は“当たり前・常識”(=呪い、そして“吉田民人”の“プログラム” の一種)に縛られ、ものを見、行動しています(男だから・女だから・新潟 国際情報大学生だから...)。いったいどんな仮定(呪い)に縛られていると どのような結末が予想されるのか? その仮定を少し変化させると結末はど のように変わるのか? これらの問いについて数学を使って答えようとして いるのが、この本です。たくさんの人々が大変複雑に互いに影響しあってい る状況について考えるのは大変難しいことですが、数学を使うとスッキリ 見えてくることがあります。そんな面白さが味わえる本です。 |