s95045kk | 片山 健二 | 『次世代ゲーム機における三次元画像処理技術について』 |
s96071kg | 小林 豪 | 『低価格化の進む3次元CGソフトについての研究』 |
s96073kh | 小林 久徒 | 『VisualBasicによる楽譜作成ソフトウェアの作成』 |
s96118tk | 武林 勝史 | 『レイトレーシングの原理』 |
s96124tt | 田村 崇良 | 『ファジィ理論について』 |
s96177yn | 安川 智之 | 『コンピュータグラフィックスについて』 |
s96123ts | 山崎 伸一 | 『医療画像の表示と加工』 |
s96183yt | 吉井 哲也 | 『3次元CGによる車の作成』 |
s96191ws | 渡辺 修司 | 『Visual Basic 6.0を用いた医用画像処理』 |
『次世代ゲーム機における三次元画像処理技術について』片山 健二
テレビゲーム産業は今や日本の重要な産業であり、世界的にも日本がリードしている産業である。私はテレビゲームでユーザーを惹き付ける画像の美しさについて興味が湧き、ゲーム機の画像処理技術について研究したいと思った。ゲーム機での画像処理から、ゲーム世界を作る物体の位置や角度が画面の縦と横の二つの座標で、演算、描画処理を行っているゲーム機を従来機といい、縦と横の二座標に奥行きの座標を加えた三つの座標で演算、描画処理を行うゲーム機を次世代ゲーム機という。
このように、次世代ゲーム機では、画像を三つの座標で演算、描画処理することによって三次元画像を表現している。そして、次世代ゲーム機における三次元画像処理技術は、三次元画像を次世代ゲーム機で表現するための技術と、次世代ゲーム機が三次元画像を処理する技術であり、この技術開発がユーザーの購買意欲の源であり需要となる。ユーザーにとって、刺激的で、楽しませる画像には、画像処理技術による演出が為されていることがわかった。
1998年後半よりCGソフトの低価格化競争が激しくなってきている。研究の内容としては、こういった低価格のソフトを利用し、それぞれの特徴と機能、作り方、完成度の違い、又その過程などをできるだけ詳しく紹介している。
DOGA-L1・L2、六角大王、メタセコイア、Shadeといった1万円以下の低価格CGソフトを紹介し、またそれらを使って画像を描いてきたが、どのソフトも初心者向けの基本的なソフトだった。その中でも多くの機能や特徴があり、初心者の一般ユーザーが使用しても1週間もすれば使いこなせるものや、時間をかけて使いこなせるようになればプロクリエーターの作成するCGとほとんど変わらないようなものを作ることができるものまであった。紹介した機能をすべて使用したわけではないので、それらの機能を紹介したかった。また、紹介したソフトのすべてに次回作となるものがあったのでそれらのソフトも使いこなせるようになっていきたい。
『VisualBasicによる楽譜作成ソフトウェアの作成』小林 久徒
私の研究はVisual Basic(以下VB)を使用し、楽譜を作成するソフトウェアを作成することである。人間が普段何気なく聞き取り、または頭の中で処理をしている音楽というものが、どのようなデータとして表現できるか。また、そのデータを楽譜上に音符として表現するにはどのようにしたらよいかということを主な研究内容としている。
ここで使用するデータとは現在最も多く使用されているMIDIという書式のデータを扱う。まずMIDIのデータからどのような情報が格納されているかを調べる。MIDIは16進数で書かれているので、それらを読み取り活用するにはMIDIにおける全ての命令を理解しなくてはならない。そして楽譜として出力する時に必要な命令と音の再生時にのみ必要な命令を分ける。
VBでは全ての処理の基盤となるフォームの他に、楽譜を画面に出力するフォームや音符を画面上から入力するためのフォーム等を作る。入力方法はマウスで画面上のボタンを押して入力したい音符または命令を選択し、五線譜上の任意の場所にカーソルを持っていき、その場所をクリックすることで、楽譜に入力ができるようにする。また、MIDIデータを読み込み、解析、編集し、保存、プリントアウトをするという処理もプログラムする。
MIDIデータの読み込み、保存だけでなくデータの編集も行なえるようにする。また、テヌート(音楽用語。音の長さを十分に保つ)やスタッカート(音を短く切る)などの細かいニュアンスもつけられるようにする。
この研究にはVBとMIDIの両方を熟知しなければできないので、研究期間の半分が文法やデータ書式を理解するということに費やされ、本格的にプログラムに移るまでには、形として表すということができなかった。しかしそのおかげで作品を作るだけでなくさまざまな知識や技術を身につけることができ、得るものの多い研究であったと思う。
今回の作品は完成というところまでは至っていないが、これからこのソフトウェアを発展させてゆく上で大切な基礎の部分ができたので、この研究の成果としては望ましいものができたのではないかと思う。
本研究は3D画像を作成するために、コンピューター上でどのような計算が行われているかを考えることをテーマにしている。本研究では、レイトレーシング手法を用いて説明されているが、レイトレーシングという言葉をあまり耳にする機会は少ないと思う。レイトレーシングとはいったいどういったものであろうか。一般にレイトレーシングとは、3次元の物体をグラフィックスとして表現する手法の1つで、視点から物体への光線を追跡し、シミュレーションと併用して図を描く手法のひとつであると考えられている。実際は光を光源に向かって辿っていき、目に像が入ってくるプロセスを光線全体について忠実にシミュレーションすることを考えているので、情景がほぼ忠実に再現でき、リアルな絵が描ける。アルゴリズムは単純であるが、長時間を要するのが欠点である。では、実際にコンピュータ上ではどのような計算が行われているのであろうか。これが本論の第2章で述べられる。また、3D画像を身の回りのものをモデルにして実際に制作してみた。サイコロ、アルコールランプ、写真立て…。これらの画像を実際に制作してみてどうだったのか、などが本論の第3章で述べられる。
最後に、第4章では今後の3D画像の課題、本研究では解明できなかったことを発展問題として述べられている。2000年現在ではもはや一般的な技術となっている3DCGだが、今後さらに活躍が期待され、より高度な技術が求められることが予想されるので、1度はその仕組みについて勉強しておきたい分野である。
ファジィ理論は研究分野も幅広く、特にこれといった枠もない。そこで本研究ではファジィ理論の入門として、一つの分野を掘り下げることなく幅広く色々な分野をしらべた。従来の理論、現代のコンピュータの理論である2値論理(すべての事象はイエス(1)かノー(0)のいずれかであり、中間の灰色的な物の存在は認めない)と確率論だけでは、情報科学を発展させようとすると早晩行き詰まることは明らかである。例えば、その日の気温に対して暑いかどうかという会話をした時、それは体感する人の主観もあるし、育った環境、そのときの服装など、さまざまな条件で変わり、誰に聞いても今日は暑いという日はあまりない。 「暑い」という記号としての言葉は 明らかであり、辞書でも容易に見つけることができる。しかし何度 からが暑いとするのかとなると、これは人によって異なり、定義す ること自体不可能である。記号としての言葉は、骨組のようなもの なので、これにまとわりついている意味と言うのは、主観的であり、 きわめてあいまいなものである。しかし、私たちは言葉のやりとり、 つまり骨組みだけのやり取りで、意志の疎通は十分にでき、ちゃん と理解しあえる。それは人間が本来あいまいな存在だからである。 ファジィ理論とは前述の暑い、寒いなどのあいまいな言葉を数値化 するというのが主である。このファジィ理論について、歴史や集合 論の拡張であるファジィ集合、人工知能の応用分野である、ファジィ エキスパートシステム、データベースにファジィの考え方を導入し たファジィデータベース、ファジィ理論と数学の接点であるファジィ 数学について述べ、最後にファジィ推論について、本来あいまいな 答えしか出ないファジィ理論をあえて、エクセルを使い具体的に数値化した。
映画でみたコンピュータグラフィックス(CG)技術に魅了され、いつか3DCGを作成することでCGを理解したいと考えたのが、コンピュータグラフィックスについて研究するきっかけとなった。
近年、コンピュータの発達は目覚ましいものがあるが、その中でもコンピュータグラフィックスの存在はこれからのコンピュータの世界にのみならず人間の生活においても必要不可欠なものとなるであろう。私たちは普段テレビ、ゲーム、映画などからCGに深く接することができるが、他にもCGは使われていて、それはファッションデザイン、医学、教育、芸術、産業とあらゆる分野に関わっている。
今回私は、六角大王Super、Shadeというグラフィックスソフトを使って3次元の車をモデリングし、そのデータをより写実的になるようにレンダリングした。その過程においてCGの基礎概念を知り、CGが現在何に役立ち、そしてどのような展開がなされていくか考えた。
最近のパーソナルコンピュータは低価格化と高性能化が進み、汎用的なものでもかなり高度な処理を行なうことが可能となりつつある。そのような環境を有効に活用しつつ医療に貢献できるシステムの開発は、現在様々な形で試みられている。そのような試みの中で、私はコンピュータ支援診断(Computer AidedDiagnosis)に関して触れる機会があったので、CADとその手始めとなる医療画像の表示についてレポートした。CADについての部分では、コンピュータで処理を行なわせる前にどのような知識や情報が必要であるかまとめてあり、医療画像の表示の部分では、C++を使い実際に表示のためのプログラムを組み、その結果について考察した。結果は思わしいものではなかったが、考察で得られた情報は今後のプログラミングに役立つ情報であると考える。また表示の際に必要となる、ビットマップの形式に関して、また扱うファイルに関しても述べてある。 高齢化などにより医療に関する要望は多くなるとともに、多様化すると予想される。医療情報をディジタル化してコンピュータに処理を行なわせることで、医師の仕事の効率化を計りより効果的な医療を実現する試みは、今後さらに必要とされる分野であり高度な処理を要求されることが予想される。さらにそのシステムが実用的であれば、人々と医療の関係をより良くすることができる可能性があり、この分野の更なる発展が期待される。
現代社会において画像や映像は各種の情報交換、保存、伝達などにおける最も重要な手段である。画像や映像情報の果たす役割は音声や触覚など他のすべての感覚器が得る情報をはるかにしのいでいる。そしてコンピューターの普及とともに産業、科学、映画、ゲーム、芸術などの多くの分野で有効に活用されているのがコンピューターグラフィックス(CG)である。この技術は当初、科学技術における計算結果を図形表示したり、物体の物理的な運動を可視化する目的で開発されたが、最近では科学技術分野だけでなく、映画やテレビのコマーシャルなど娯楽や通信でも盛んに利用されている。
また、近年パソコンがますます高速化され、十分な画像処理が行えるようになり、しかも高速かつ強力なグラフィックス生成機能を持つグラフィックスワークステーションが安価に普及しつつある。このことにより、CGは一般の人にもなじみの深い技術となり、誰もが手軽にCGを楽しむことができる状況にある。そしてCGは、今後ますます広く情報科学や情報工学の分野のみならず、医学、社会学、芸術、教育など多くの分野において、おおいに活用されることが予想される。
しかし、実際のCGによる画像生成のしくみについては、必ずしも多くの人が理解しているわけではなく、CGを用いて画像を生成できる人は少ないと思われる。そこでこの卒業研究では、CGとはどのようなものであるかを調べ、主に3次元CGによる画像生成の過程を研究する。そしてCGソフトを使い実際に車の3次元CG画像を作成し、その制作過程を紹介する。
『Visual Basic 6.0を用いた医用画像処理』渡辺 修司
最近の医療診断においては、検出媒体の多様化、ディジタル化が進んでおり、そのほとんどに医用画像処理が応用されている。さらに、通信機器の発達や通信速度の向上より、遠隔地の画像診断などで医用画像処理の必要性が増してきている。このように、医療の場において医用画像処理の果たす役割が拡大してきている。
そこで、この研究では、医用画像処理とはどういうものなのかを知るために、以下の3つの事を行った。
第1に、医用画像処理とは具体的にどういうものなのかを知るために、コンピュータ支援診断(Computer
aided Diagnosis(CAD))を具体例に挙げて調べた。
ここでは、CADについての概説や、CADの具体例として、胸部単純写真を対象としたCAD、乳房画像を対象としたCAD、
血管造影像を対象としたCADの3つについて調べた。
第2に、医用画像処理で用いられている画像処理とはどういうものなのかを知るために、画像処理の概要を調べた。さらに医用画像処理で使われている具体的な画像処理について知るために、空間フィルタの操作法を調べた。
第3に、CADで用いられている医用画像処理を実際に試してみるために、Visual
Basic 6.0を使用して、医用画像プログラムを作成した。このプログラムでは、画像データの入っているファイルをビットマップ形式で読み込み、原画像ボタンを押すと原画像を表示でき、平滑化ボタンを押すと原画像を平滑化した画像を表示できるようにした。